総合治療とは
虫歯や歯周病が原因で歯を失ったり、咬み合わせが大きく崩れたりした際には、単に虫歯の治療や歯周病の治療だけではお口の審美や機能を回復できないことがあります。そのような場合には、一口腔単位の治療を行うことで、見た目も、咬み合わせも良好で、歯を長持ちさせることが可能となります。そのためには、歯周治療、矯正、インプラント、義歯、クラウンなど歯科のあらゆる分野の治療を駆使しなければなりません。
どのような治療を行わなければならないかは、患者様ひとりひとりのご要望や口腔の状況で違ってきます。
総合的な治療を行えば、病気を治したうえで、かつ口元を美しくダイナミックに変えることができます。当院にて治療を行った、実際の症例を示します。
CASE 1
審美的咬合再構成の9年3ヶ月後
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この症例は雑誌社からの依頼で治療法を投稿しました。
「QDT」2012年10月号巻頭ページの「エキスパートの症例に学ぶ」という歯科医師向けのコーナーでした。
2005年9月30日初診、50代女性。この患者様のご子息が歯科医師で、自分では治療できないとのことで、私が治療を依頼されました。山口市在住で下関まで80kmと遠距離でしたが、自動車で通院されました。上の前歯2本が咬むと痛いという主訴で、前歯が出歯になっていました。全顎的に機能的で審美的な治療を希望されました。
下は術後、3年7ヶ月の状態。
矯正治療、歯周外科の後に、下前歯3本以外をセラミックとインプラントで治療しました。歯並びも歯肉も非常に審美的です。
CASE 2
審美性と機能性を考慮した咬合再構成3年5ヶ月後
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2011年10月28日初診、60代女性。左下奥歯のクラウンがはずれた、欠損部にインプラントをしたいという主訴でした。
すべての歯に修復が行われていました。前歯は咬み合わせが当たっていませんでした。歯肉炎の症状があり、歯肉が赤く腫れていました。左上456欠損部はノンクラスプデンチャー(バネの見えない取り外しの義歯)が装着されていました。
術後写真は2014年10月27日の写真です。治療後3ヶ月の状態です。
左上456、左下7、右下67にインプラント、その他全部の歯にクラウンによる補綴治療をおこないました。前歯の咬み合わせがもきちんと当たっています。歯肉の炎症も消退しました。審美性も機能性も達成されました。
CASE 3
残根治療を審美的に行う為の総合治療
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40代女性。全体的に芸能人のように綺麗に治療したいという主訴でした。
右下321、左下12以外の歯に補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)が行われていました。
咬合再構成(こうごうさいこうせい 、クラウン、ブリッジ、インプラント、義歯、矯正治療などを用いて、 現在の咬合を理想的な咬合に構成しなおす総合治療)をおこないました。右上67、左上4567、左下6、右下6はインプラント、右上54321、左上123、左下2345、右下345はオールセラミッククラウン、左下7、右下7はゴールドのクラウンとしています。天然歯のような透明感のある口腔となりました。
CASE 4
インプラントを用いた審美歯科の為の総合治療
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2007年3月19日初診、30代女性。インプラントを使って、全顎的な審美歯科治療をしたいことを主訴に来院されました。
上顎11はレジン樹脂(プラスチック)でできたクラウンで補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)がおこなわれていました。右上64、左上467、左下567、右下567は欠損でした。
術後写真は、2012年3月9日、治療後1年4ヶ月後の写真です。
右上⑦6⑤4③②セラミックブリッジ、右上1はセラミッククラウン、左上123セラミッククラウン、左上456インプラント、左下56インプラント、右下56インプラントにより補綴治療をおこないました。総合治療(虫歯や歯周病が原因で歯を失ったり、咬み合わせが大きく崩れたりした際には、単に虫歯の治療や歯周病の治療だけではお口の審美や機能を回復できないことがあります。そのような場合には、一口腔単位の治療を行うことで、見た目も、咬み合わせも良好で、歯を長持ちさせることが可能となります。その目的ためにおこなわれる、歯周治療、矯正、インプラント、義歯、クラウンなど歯科のあらゆる分野の治療を駆使した治療のこと)を駆使した結果、とても美しい口腔になりました。自然観のあるクラウンと歯肉との調和にご注目ください。