一般歯科診療の治療に伴う感染経路

歯科治療においては、常時、口腔内に触れることから唾液に接触する機会があります。歯肉粘膜は傷つきやすく目に見えてなくとも血液に接触している可能性は否定できません。また歯の切除処置等でエアタービンハンドピース等を使用した場合においては血液・唾液が混じったエアロゾルが飛散・浮遊します。飛散の程度は歯科手術において回転切除器具を使用した場合、血液・唾液を含んだエアロゾルが環境に1mは飛散したことが報告されています。このように血液・体液を含んだエアロゾルが飛散・浮遊しかつ直接血液・体液に曝される頻度が高いため、歯科診療においてはエアロゾルの飛散・浮遊に対しての感染予防に重点をおきつつ血液由来病原体(B型肝炎ウイルス:HBV、C型肝炎ウイルス:HCV、ヒト免疫不全ウイルス:HIVなど)に対しての感染予防策(手指衛生、機器・器具の処理)を実施します。つまりエアロゾルの飛散・浮遊を重点とした対策では防護具の使用、口腔外バキューム・空気清浄機の使用、含嗽による口腔内細菌数の減少化、飛散のおそれのある環境をあらかじめカバーしておくこと・消毒などの対策を実施し、かつ適切な手指衛生、機器・器具の適切な処理等対策を行います。

診療ユニット間は2.5mのスペース確保、1.8mの大型パーテーションにて区切っております。(個室完備)
当院では感染対策の観点から、全ユニットに口腔外バキューム(東京技研 フリーアーム アルテオS)を配備し、治療時には必ず使用することでエアロゾルの飛散・浮遊の減少化に尽力しております。実際の使用状況のデモ動画です。

 

滅菌・衛生管理について

 

ミーレ ジェットウォッシャー(熱水消毒器)

落ちにくい血液や唾液等のタンパク質汚れもしっかり洗浄

ミーレジェットウォッシャーは、消毒・滅菌の世界基準である「ISO15883」に規定された「93度+5分間」という条件をクリアした、歯科治療で使用した器具の洗浄・すすぎ・消毒・乾燥を自動的に行う熱水消毒器です。手洗いに比べて安定した洗浄効果を得られるばかりか、切創や針刺しなどの感染リスクを大幅に低減します。
感染の原因となる血液や唾液などのたんぱく質の汚れを落とすだけでなく、93℃の熱水ですすぎを行うため、高レベルな熱湯消毒が可能です。高い水圧と徹底した温度管理による洗浄で、感染リスクを軽減します。
  • たんぱく質をしっかり除去し、感染リスクを軽減
  • 複雑な機器の外部だけでなく、内部もすっきり洗浄
  • 高性能フィルターを通した清潔な空気で温風乾燥

【特徴1】高い水圧と徹底した温度管理

55℃以上の高温になると、感染の原因となる血液や唾液といったたんぱく質は凝固してしまいます。ミーレのジェットウォッシャーは、たんぱく質が凝固しないように、まず冷水から予備洗浄をおこない、高い水圧で確実にたんぱく質の汚れを落とします。そして、最後のすすぎで水温を93℃まで上昇させて5分間の消毒を行います。

【特徴2】第三者研究機関による裏付け

ミーレのジェットウォッシャーは洗浄・消毒・滅菌に関して、ISO15883で規定された消毒条件(93℃、5分間)を満たしています。また、第三者研究機関によって多数の微生物試験が行われており、高い消毒効果が認められています。

クラスBオートクレーブLisa-リサ(高蒸気圧滅菌)

上記のミーレジェットウォッシャーで洗浄消毒した器具を、次にこのクラスBオートクレーブLisaで滅菌します。

ハンドピース等、全ての器具の殺菌

当院では、歯科切削用ドリルを回す機器「ハンドピース」等、すべての治療器具において、一つ一つ滅菌パックをしてクラスBに準拠したオートクレーブLisaで滅菌を行い、使用直前に開封し、患者さんお一人おひとりの治療ごとに器具交換を行っております。このオートクレーブは通常のオートクレーブ機器よりも滅菌のレベルが上がります。

 

クラスBとは?

歯科医院の滅菌では、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)が広く使用されています。オートクレーブは、上から(B)⇒(S)⇒(N)…とクラス分けされていますが、多くの一般歯科医院で導入されているオートクレーブはほとんどがクラス(N)です。
クラスBオートクレーブとは、ヨーロッパの基準EN13060に準じたオートクレーブのことを表します。このEN13060とは「あらゆる種類の滅菌物(固形、包装、多孔性、中空のある物)を完全に滅菌できる」ということを意味しております。
インプラント等の外科処置においても「より感染しにくい環境で治療が受けられる」ことになります。滅菌のレベルを引き上げることは口腔内の環境に大きく影響するため、非常に重要です。

また、当院では型取り用のトレーに関しても使い捨ての物を使用しております。
使い回し等は一切行っておりませんので、ご安心ください。